子育てから学んだ「適材適所」での、社員の育て方

採用成功事例レポート vol.24

ちばキャリを活用して採用活動を成功させた企業様に、その秘訣を伺います。今回は船橋市にある株式会社プロキュアメントステーションの征矢野社長にインタビューを行いました。



<募集職種>
・営業事務(手配事務)
・一般事務
・カスタマーサポート
・ITサポートエンジニア(ヘルプデスク)
・CADオペレーター

<募集背景>
・増員募集

<成功ポイント>
・スキルなど多くは求めず人柄が合えば採用、入社後に適性を見ていく手法へ

株式会社プロキュアメントステーション
2004年に船橋市に創業(1994年に前身である有限会社信州開発設立)。大手ゼネコンを主要顧客に、建設会社や工事現場の作業所などに、LANやインターネット回線、サーバーやプリンターなどのITサービスを提供し、オフィス環境整備のサポートをしている会社。


お世話になった建設業界にお返ししていくために始まった会社

会社のビジョンにも採用にも繋がっていくのが、まず僕がこの会社を始めたキッカケにもなるんだけど、僕は学生時代に不動産業で起業して、たまたまパソコン(当時はワープロ)が得意だったから、知り合った建設会社の人たちのお手伝いをしていたんです。「この設定どうやるの?」「ワープロでこの書類作れる?」なんて、当時ワープロを使える人なんて少なかったら可愛がってもらって。

お手伝いをコツコツしてて気づいたら1つの事業になっていって、それがいまウチの主軸になっている「ITサポート事業」。で、頼ってくれるお客様の「あれできる?これできる?」に応えていくために、新しい人を入れて、事業を育てて、また人を入れて、こうやって積み重ねてきたきたのが、株式会社プロキュアメントステーションなんです。

お世話になった建設業界に「どうお返し(恩返し)していくか」を、いつも考えているんです。お返しするためには、やっぱり「人」が必要でしょ?だから採用を行い、人も会社も、もっと育てていくのが大事と考えています。

無料媒体をはじめ、安い金額で行える採用活動が中心

これまでの採用手法について教えてください

いままでは…という話ではなく、これからも採用にあまりお金はかけず行うというスタンスをずっと取っていきたいと思っています。なので、基本的にはインディードや自社HPなど無料媒体を使っていく方針です。

「給与が高いから」「休みが多いから」など条件がいいからって応募をしてくる子は、あまり好きではなくて。しっかりと会社や仕事を見て、応募してきてほしいんですよね。で、面接にきた子でも「権利の要望ばっかりする人間」はあまり採用しないようにしていて。あくまで「この会社でこう働きたい。こういった仕事をしていきたい」という想いを持っている子を中心に、採用をしています。

実はここで明かしちゃうことではないのですが、実はウチの初任給、ちばキャリ含むあらゆる媒体で募集条件に書いてある金額より実際は2万円くらい高いんです。だけど、あまり「お金」に拘り強い人に来られても困るので、千葉県の最低時給レベルの初任給を書いて募集をかけているんです。
実際は初任給も最高給も、求人票より高いんですよ(笑)変な会社でしょ?だから逆に言うと、辞めない人材が元々来ているのかもしれないんですよね(笑)

ちばキャリさんを最初(2019年)に利用した経緯は詳しくは覚えていないんだけど、結構反応があったのは覚えていますね。その時に何人か採用して、ちなみに、いま総務と手配事務をまとめてくれている子は、その時に採用した方。現場から始めて、いまでは会社全体を視野広くまとめてくれる人材になってくれました。

最大の特徴は「適材適所」苦手なことをさせないスタンス

ウチとしては採用手法は全く変えていないんだけど、「入社してからの育て方」を数年前にガラッと変えて、そこから一気に社員の定着率が上がったのは間違えないですね。

どのような育て方をされているんですか?

「適材適所」にしたんです。苦手なことをさせない。

どの会社もそうだと思うけど、ウチの社員は、国公立出もいれば高卒もいて、学歴も得意分野もみんなバラバラ、もちろん属性(性格・家族構成)も十人十色。もちろん、その1人1人に得意不得意があって、それを無理に「型にハメよう」とするんではなくて、「やってみてできなかったら、得意なことを伸ばせばいいじゃん。不得意分野はやらせない」って考えにしたんです。そしたら、そこから離職率がグッと低くなって「やっぱり、これが正解だったのか」と。

やっぱり…とは?

でね、この考え方に変えていったかというと、僕自身の子育てで学んだんです。

僕には息子がいてね。やっぱ男の子だし「苦手分野こそ得意にさせて、挫けてたら鼓舞して、そこを乗り越えて一人前になってほしい!」って思ってて。それもあって、うちの子は運動音痴だったんだけど、サッカーを無理やりやらせてたんだよね。苦手でも、頑張った先に成長があることを感じてほしくて。でも、頼むからもう辞めさせてくれ…ってお願いされちゃって。それが小5の時。

でも、ただ辞めさせるのはカッコ良くないし、理系が得意なの知ってたから「じゃあお前、塾行って勉強頑張りな」ってやらせてみたら、信じられないくらい成績が伸びていって。クラスで真ん中くらいだったのがたった1年間でソコソコの私立中学校に合格って、親としてはビックリだったし、もう少し早く僕が辞めていいよって言ってたら、もっと伸びたのかなって思っちゃったんだよね。

で、その時に「苦手なところが克服する労力やコストを、得意なところを伸ばす方に流した方がリターンでかいな」って、学んだんだよね。子育てだと割りっちゃいけない部分ももちろん出てくるけど「会社だし本当に得意分野だけやってくれ、不得意なことはやめてもいいよ」って。

結果、離職率がグンっと下がって。変な理由で辞める人はほとんどいなくなったし「辞めてほしくないな」っていう社員が離れちゃったのは、ここ5年で言っても病気療養で1人くらいかな。なかには僕から「独立目標に技術磨けばいいよ」って育てて、本当に独立していった子もいるしね。

若い子は特に、この会社が全てじゃないと思うから、それも適材適所。履歴書に書けるようなスキルをウチで身につけたり、仕事をしていく中でもっとやりたいこと見つかったら、巣立っていってもいいと思っています。

「もっと頑張れよ」と言われすぎないことで、伸び伸び働けそうですね。

15年前は「262の法則」の上位2割をやっぱり育てていきたかったんだよね。でも、2だけで構成するのは厳しいなって諦めた瞬間があって。残りの6と2を受け容れた瞬間に、自分自身の気持ちが「スッ」と楽になったんです。ちょうどそれが子育ての時期にも重なって、諦めたことで色んなことがうまくいき始めて、いままで生きづらい考え方だなぁ…って思い知らされましたね。

あとは、下位2割を切り捨てるような人事をしたとしても、残った集団から新たに下位2割が生まれちゃって意味がないことにも気づいて。いっそ「必要な下位2割である」と思うようにして、これは残りの8割の子たちには説明していますね。

それにより、特に女性チームでよくある「同じ社員なのに、あの人はアレもできない、これもできない」と言う感情と、その感情から生み出される軋轢を解消することができています。

ただ説明するだけじゃ納得しにくいことだし、僕は「4番が4番の仕事をするためには、送りバントや球拾いや代打要員も必要なのは判るよね?4番が、球拾いもするの?君が電話に出て初期対応するの?宅急便出すの?そして君は、4番のお給料貰ってるよね?(その子より給与高いよね?)」と説明しています。

バランスよくできる人間より、1つ輝ける人材を育てる

これからのビジョンなどはありますか?

繰り返しになっちゃうけど、全員4番バッターなんてことはあり得ませんですからね。それぞれの適材適所で、輝いてくれればいいんです。

輝いている子が多いと「御社の仕事は質がいいから、これも頼みたい」「ねぇ、○○もお願いしていい?」なんて、新しい仕事に繋がっていくんです。いま事業にしているCADソフトのサポートが、まさにこの流れで始まった事業の1つなんです。

人脈を使うのではなくコツコツ確実に成果を上げることで、新しいお付き合いが増え、売上が上がっていく、またそれを「お客様にお返し(恩返し)していく」。この積み重ねと考えていて。
最初の話に戻っちゃうけど、1つ1つの事業を拡大していくために、頼ってくれたことに対して叶えられるように、社員を増やしていきたいと思っています。

色々長く話しちゃったけど、いまウチを気になっている子には「僕たちとしてはのびのびと働ける環境を用意してるから、あなたの得意分野を活かして、その得意を伸ばして成長していってほしい」と思ってますね。とにかく広く募集をしているので、まずは興味を持って応募してくれればいいなと思います。

取材後の感想

取材中に社長は、何度も「お返ししたい(恩返ししたい)」という言葉を仰っていたという印象がありました。自分と会社を育ててくれお世話になっている建築業界へ、自分が育ててきた仲間(社員たち)へ、どのようなことが喜ばれるかを、常に考えて行動されているのを深く感じました。

社長自身の「育成方法」についてのターニングポイントについても、かなり踏み込んだ形でインタビューをさせていただいております。社員様からは「262と4番バッターは常に言っている。社員に浸透していると本当に感じる」という、コメントもお伺いできました。

想いを共有し、同じ目線で一緒の方向に進んでいると強く感じられる会社様でした。

2023年5月取材(文:石橋/インタビュー:永野)

 

会社名 株式会社プロキュアメントステーション
事業内容 ・建設ITコンサルタント
・業務コンサルタント
・ITサポートセンター運営
・業務アウトソーシング
・IT機器販売/レンタル
・オフィスサプライ販売
・LAN敷設工事
・ビジネスフォン工事 など
設立 2004年12月
本社所在地 千葉県船橋市習志野台6-18-2
代表者 代表取締役  征矢野 清志
会社HP https://procurement.co.jp/

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